OPEC減産発表で原油価格急騰&米ドル復活

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OPECによる原油減産が突然発表

昨日のOPEC参加国とその他の主要産油国は、不意を突く形で原油減産を発表しました。

そのため、原油価格急騰で週を開けることとなりました。

このOPECプラスでは、5月から原油供給を日量116万バレル減産することに同意して、需要懸念に悩まされている市場のバランス回復を目指すことが述べられました。

OPECによる原油減産は最終的には原油価格をサポートすることを目的としていますが、これは需要条件の弱まりを予測していることも示されていると言えるでしょう。

この動向は、世界経済の見通しにはポジティブなニュースとは言えませんが、現状では軟調な原油価格の底辺を確立するのに役立つと言えます。

原油価格以外にも、エネルギー費用の高騰によってインフレ圧力が持続するとの懸念が再び高まり、FRBがもう一度利上げを行うとの観測が広がっている状況です。

市場価格は今のところ、次回の会合にて65%の確率で最後の利上げを支持しており、今年後半の利下げ観測は後退し始めている状況です。

米ドル上昇&一時ゴールド下落

エネルギー価格の高騰は、先週金曜日に発表された米インフレ測定値のニュースに陰りを見せる格好となりました。

軟調となったPCEは、インフレ対策がいよいよ効果を見せることになることを示唆しましたが、OPECからの原油減産のニュースによって、この期待に大きなダメージを与え、インフレと戦いがまだ終わっていないことを裏付ける形となりました。

FRBによる最後の利上げ観測は、銀行危機から巻き添えで被害を受けた米ドル復活に結び付くこととなりました。

今日は、米ISM製造業購買担当者景気指数の発表、そして金曜日には米非農業部門雇用者数の発表が続くことから、米ドル復活への期待を支える重要な指標となるでしょう。

その一方、ゴールドは米ドルと米国債利回りの回復から、下落で取引を開始しました。

しかしながら、1オンス1,950ドル辺りで買いの介入が入ったので、損失は縮小されました。

理由は、最近の流動性注入が上手く機能したことから、押し目買いが未だ投資の間でゲームプランであることを裏付けていると言えます。

世界の中央銀行がゴールドの保有量を増やしていることも相まって、ゴールドの底強さが際立ってきている可能性があります。

中国人民銀行は、昨年以来ゴールドを大量購入しており、国外からの制裁リスクから回避するために、国の資本準備金の多様化を進めている状況です。

金曜日に中国の外貨準備内訳についての最新のデータが公表される予定で、この動向が続くかを確認する良い機会となるでしょう。

株式市場急騰

つづいて、株式市場は全く別の次元で推移している模様です。

ナスダック100が20%以上も上昇し、第4四半期を終えました。

最新の堅調な経済指標は、経済がソフトランディングに向かっていることを示唆しているとの期待が高まっている状況です。

実際にこの驚くべき株価上昇は、流動性プロファイルの根本的な変化によって促進されている可能性が高く、FRBが銀行救済のためにバランスシートを再び拡大したことで、流動性が高まったことで市場はハイテク株からビットコインといったよりリスクの高い資産に移行する衝動にかられたように見受けられます。

しかし、この衝動が一段落した時点で、高価なバリュエーションが潜在的な収益後退に向かっていることに取り組む必要が出てくるでしょう。

明日はオーストラリア準備銀行の政策発表を控えています。

オーストラリアは、期待外れの経済データと住宅市場を取り巻くリスクのなか、利上げを停止すると予測されています。